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瀬戸内「   」資料館/
宮浦ギャラリー六区

《瀬戸内「   」資料館》は2019年9月より、宮浦ギャラリー六区を拠点に始まったプロジェクトです。アーティスト・下道基行によるこのプロジェクトは瀬戸内海地域の景観、風土、民俗、歴史などについて調査、収集、展示します。そこに住む人々や関わりを持つ人々とともに、各分野の専門家も交えて活動を展開し、島を見つめる新たな視点を提示します。

インフォメーション

タイトル:
プロジェクト《瀬戸内「   」資料館》
開催期間:
開館カレンダーをご参照ください。
開館時間:
13:00~18:00(最終入館17:30)
会場:
宮浦ギャラリー六区
〒761-3110 香川県香川郡直島町2310-77
鑑賞料金:
520円
※15歳以下無料
チケット:
オンラインチケットの購入はこちらから。
電話番号:
087-892-3754(福武財団)
アーティスト:
下道基行
キュレトリアル・アドバイザー:
三木あき子

プロジェクトのご紹介

《瀬戸内「   」資料館》は、直島のフェリーターミナルから徒歩5分ほどの宮ノ浦地区を舞台に展開しています。プロジェクトの名称にある「   」の中には毎回の展示のテーマが表記され、展示に向けた一連の活動の記録や資料は、施設内のラックに保管されます。これまでの調査や展示の過程でおよそ500点の書籍や写真集などの資料を収蔵しており、訪れた方に手にとって読んでいただくことができます。

瀬戸内「漂泊 家族」写真館

第6回は《瀬戸内「漂泊 家族」写真館》と題し、現在の直島の風景や人々の肖像を記録・展示する“写真館”をオープンします。

本展において下道は、直島の持つ“流動性”に着目。直島の主要産業である三菱マテリアル直島製錬所では数年で異動する人々が一定数いらっしゃるほか、学校の先生や警察官、診療所の職員は3年ほどの任期となる傾向があります。2000年代以降は観光産業の隆盛により都市部からの移住者が増加していますが、数年で別の場所へ再び移住する場合も見られます。下道はこのように人々が出入りする様子を直島独自の“流動性”ととらえ、それを視覚的に表現することを試みました。

今回の展示は、マレーシアの文化活動家であるジェフリー・リムとの共同制作によるものです。彼とともに直島諸島の漂着物からカメラを手づくりし、直島の風景の中で島の人々を撮影しました。展示ではその様子を記録した映像や制作したカメラ、写真などをご覧いただけます。また、会期中は島民限定の写真スタジオが毎週土曜日にオープンし、撮影した写真は展示室に随時追加されます。

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(左)漂着物で制作したカメラで撮影した写真 (右)漂着物で制作したカメラ

プロジェクトは隣接する二つの建築を拠点に活動しています。一つは旧パチンコ屋を改装した「宮浦ギャラリー六区」(通称:六区)、もう一つは旧焼肉屋を改装した「へんこつ」です。「宮浦ギャラリー六区」は調査結果を発表・展示し、収集した資料をアーカイブする「展示収蔵室」として使用されています。「へんこつ」は島民や島で働く人などが集い活動する「研究室」として活用されています。
訪れる方が島の記録や記憶にふれ、新たな視点でこの地域のあゆみを振り返り、新しい関係性や島の未来をつくる場所を目指します。

展示収蔵室

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写真:山本糾

研究室

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写真:山本糾

下道基行 (写真家/美術家)

1978年岡山生まれ。2001年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。代表作に日本国内の戦争遺構の現状を調査する「戦争のかたち」(2001-2005)、祖父の残した絵画と記憶を追う「日曜画家」(2006-2010)、日本の国境の外側に残された日本の植民/侵略の遺構を探す「torii」(2006-)などがある。フィールドワークをベースに、生活の中に埋没して忘却されかけている物語や日常的な物事を、写真や映像、収集などの手法によって編集することで視覚化する。2019年、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展日本館の参加アーティストでもあり、国内外の展覧会や出版で活動。さらに、作家として作品をつくることと並行して、様々な人々とのコラボレーションや学生とのラーニングなどのプロジェクト活動も多数行っている。2019年、《瀬戸内「   」資料館》を企画し「館長」に就任。

建築のご紹介

設計:西沢大良 宮浦ギャラリー六区(2013)

かつて島民が娯楽の場として通った「パチンコパーラースリーナイン」を、建築家・西沢大良が展示施設として設計・改装しました。長年島の人々に親しまれてきた旧パチンコ店のファサードはそのままに、本体は全面的に改修し、展示施設として再生しました。
展示施設は、作品を自然光の下で鑑賞できるよう天井には約400本のルーバーを用い、季節や時間の移り変わりとともに異なる作品空間をつくり出します。また隣接する児童公園の一角に芝生の休憩テラスを設け、ギャラリーからの観客の出口を公園側にも設けることで、鑑賞者と直島の子どもたちが一つの空間に共存できるよう、ギャラリーにとっての前庭を兼ねた屋外空間としています。

宮浦ギャラリー六区(2013) 写真:高橋公人

設計:西沢大良
                        宮浦ギャラリー六区(2013)

西沢大良
1964年東京生まれ。1993年西沢大良建築設計事務所を設立。
代表作:「砥用町林業総合センター」(2004年、熊本)、「沖縄KOKUEIKAN」(2006年、沖縄)、「駿府教会」(2008年、静岡)、「宇都宮のハウス」(2009年、栃木)、「今治港再生エリア都市計画」(進行中、愛媛)。

設計:能作文徳 へんこつ(2022)

旧パチンコ屋に隣接していた旧焼肉屋「へんこつ苑」が、建築家・能作文徳の設計・改修によって、島民や島で働く人との交流、様々な活動を行う研究室として生まれ変わりました。
雨漏りがひどかった屋根を修繕し、天窓を追加することで建物全体が明るくなり、2階の床は撤去して吹き抜けにしたことで、伸び伸びと使える開放的な空間が実現しました。劣化していた建物全体も2階はステンレスワイヤー、1階は既存の鉄骨柱に沿った木造の耐力壁と筋交いで補強しています。
建物の特徴として念頭に置いたのは、“使いながら空間に手を加えられる”こと。耐力壁の間には机や棚、ベンチが作り付けられ、建築構造を利用したDIYが展開されています。仕切りにポリカーボネートを使用した冷暖房が機能する部屋も後に追加されています。今後も活動の変容とともに、空間が成長していきます。

※中空ポリカーボネート板。段ボールのような構造で、ポリカーボネート板を合わせて、中骨を入れたプラスチック板材。軽量で高強度かつ断熱性にも優れている。


へんこつ(2022) 写真:鈴木淳平

設計:能作文徳
                        へんこつ(2022)

能作文徳
1982年富山生まれ。2010年能作文徳建築設計事務所を設立。
代表作:「高岡のゲストハウス」(2016年、富山)、「ピアノ室のある長屋」(2018年、東京)、「Cosmo-Eggs(ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展)」(2019年、イタリア・ヴェネツィア)、「杭とトンガリ」(2022年、東京)、「西大井のあな」(進行中、東京)。

これまでの展示

第1回
瀬戸内「緑川洋一」資料館

第1回は《瀬戸内「緑川洋一」資料館》と題し、1930年代から2000年初頭まで、移りゆく瀬戸内を撮影し続けた写真家・緑川洋一について調査し、展示しました。緑川は生まれ育った岡山に住み続け、平日は歯科医として働いていましたが、日曜日になると撮影機材の入ったリュックサックを背負って各地に出向き、撮影を続けました。緑川の写真には美しい瀬戸内海の風景だけでなく、急速な近代化にともなう傷ついた島々の姿や、厳しい環境下でも逞しく生きる人々がおさめられており、瀬戸内の近代をうかがい知ることができます。

会期:2019年9月28日~11月4日


                        第1回<br><nobr> 瀬戸内「緑川洋一」資料館</nobr>

瀬戸内「緑川洋一」資料館 展示風景(写真:宮脇慎太郎)
関連ブログ:≪瀬戸内「緑川洋一」資料館≫が宮浦ギャラリー六区に秋会期オープン

第2回
瀬戸内「百年観光」資料館

第2回の《瀬戸内「百年観光」資料館》は、直島を中心とした瀬戸内の観光の変遷がテーマでした。1900年代初頭から2020年まで、およそ「百年」間の瀬戸内の観光史を俯瞰しました。調査を進めていくなかで、館長・下道は入手困難な過去の旅行本や古地図に加えて、島の方々から提供いただいた様々な資料に出合いました。それらを自作した「瀬戸内観光年表」と「直島観光年表」にリンクさせながら時系列に並べていくことで、現在から過去へ遡り、自分たちの足元が過去とつながるような展示空間を構成しました。

会期:2020年7月4日~8月29日


                        第2回<br><nobr>瀬戸内「百年観光」資料館</nobr>

瀬戸内「百年観光」資料館 展示風景(写真:山本糾)
関連ブログ:下道基行アーティスト・インタビュー≪瀬戸内「百年観光」資料館≫に至るまで

第3回
瀬戸内「からみ造景」資料館

第3回は銅製錬の際に発生する不純物、“鍰”がつくる風景に着目した《瀬戸内「鍰造景」資料館》でした。直島では1917年から銅の製錬所が稼働し、主たる産業として島の生活を支えてきました。鍰製の壁や瓦は、現在も島の随所で目にすることができます。下道は直島にとどまらず、銅鉱山やかつて製錬所があった町など、銅製錬に縁のある日本各地にも足を運びました。本展示では調査・収集した各地の鍰風景の写真と、下道が有志の島民らと一緒に制作した「直島鍰風景地図」によって、日本の近代化の歴史や銅製錬とともにあった人々の営みが浮かびあがりました。

会期:2021年8月14日~9月26日
   2022年4月14日~5月18日


                        第3回<br>瀬戸内「<ruby>鍰<rt>からみ</rt></ruby>造景」資料館

瀬戸内「鍰造景」資料館 展示風景(写真:宮脇慎太郎)

第4回
瀬戸内「中村由信と直島どんぐりクラブ」資料館

第4回は忘れられていく戦後の風景を記録し続けた中村由信と、彼が友人たちとつくった写真団体「直島どんぐりクラブ」を調査しました。中村は1925年に直島で生まれ、岡山の写真家・緑川洋一に師事したのち、29歳で上京。亡くなるまで写真家として活躍します。彼の代表作である写真集『瀬戸内の人びと』には、瀬戸内をめぐる人々の生業や暮らしが生き生きとおさめられています。同クラブも1950~60年代の直島や瀬戸内の風景をとらえていました。中村のご遺族や、クラブのメンバーご本人からお借りした貴重な写真・資料をもとに、当時の島の様子や人々の姿が伝えられました。

会期:2022年8月5日~9月4日
   2022年9月29日~11月6日


                        第4回<br>瀬戸内「中村由信と直島どんぐりクラブ」資料館

瀬戸内「中村由信と直島どんぐりクラブ」資料館 展示風景(写真:山本糾)

第5回
瀬戸内「直島部活史」資料館

第5回の展示では、「大人の部活動」に着目しました。近年、都市部やアート業界でも活発な「大人の部活動」ですが、直島では昭和期から盛んに行われており、現在も60近くの団体が活動をしています。このような環境は直島独自の魅力の一つであると下道は考え、直島における「大人の部活動」の歴史や現状を調査しました。展示空間には各部の変遷や活動の様子をまとめた調査用紙が壁一面に並べられ、手に取って読むことができました。また、島民の方には所属していた部活動についてヒアリングを行い、調査内容を日々刷新していくことで、直島の日常の豊かさをご覧いただきました。

会期:2023年9月9日~10月29日
   2023年11月4日~12月23日


                        第5回<br>瀬戸内「直島部活史」資料館

瀬戸内「直島部活史」資料館 展示風景(写真:山本糾)

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〒761-3110 香川県香川郡直島町2310-77 宮浦ギャラリー六区
Tel : 087-892-3754(公益財団法人 福武財団)
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